倉敷商工会議所会報 vol.759(2020/03/15)へ寄稿いたしました
任意売却の相談内容はいまと昔で違いますか?
倉敷商工会議所会報を読んで下さっている皆さま、こんにちは!オハナ不動産の山部真一です。
楽しみにしていた吉備路マラソンもコロナウイルスの影響で中止になりました。地元地域でも色々なイベントが中止になり、なんだか世の中が混沌としている感じがしていましたが、そんな中で東京マラソンの大迫選手の走りを見て胸が熱くなりました。頑張っている人の姿に触れることにより、「自分も今できることから行動していきたい!」と、前向きな気持ちになれるスポーツは、素晴らしいものだと思いました。これからウイルスの影響で色々とあるかもしれませんが、頭の中で考えている「出来事」「感情」「計画」を整理整頓しながら、笑顔で日々を過ごすことを意識していこうと思います。
3月は『任意売却の相談内容はいまと昔で違いますか?』をお伝えします。
任意売却の相談内容はいまと昔で変わったのか?それは任意売却に関わっていると、多くの人から訊かれる質問です。任意売却の世界は良くも悪くも世相を反映する鏡のようなところがあります。時代が変われば相談内容も変わるというのは当然でしょう。
また、任意売却の相談に来られる件数に関してですが、実は以前もいまもそれほど変わっていません。これは私が任意売却をはじめた10年前といまを比較してのことですが、「当時もいまもあまり変らない」とお答えすると意外な顔をされる方がほとんどです。やはり10年前に比べていまのほうが社会的に不安定で、任意売却という存在も多少は認知が進んだため、相談件数が増えたと思われる方が多いのでしょう。
ただ、これに関しては注釈が必要だと思います。これはあくまで私の肌感覚ですが、住宅ローンの取り立てが以前に比べて緩くなっているように感じるのです。これまでは数カ月支払いを滞納すると有無を言わせず、すぐ競売という流れが普通でした。しかし、現在は銀行や金融機関は債務者の滞納に対して猶予を見てくれる傾向にあります。できる範囲で少しずつ取り立てていくやり方に方向転換したのでしょう。金融機関の対応というのも昔といまでは大きく変わりました。
そのような金融機関の変化もあって「いますぐに対応しなければ自宅が競売にかけられてしまう!」という切羽詰まった状態に置かれている人の人数は依然と比べてそれほど変わってないのかもしれないと私は見ています。金融機関が延命措置を行うようになったおかげで、ひとまず「相談に来る」というアクションが回避されている状態です。
ただしそれは裏を返せば、もう数カ月滞納が延びればピンチに陥るという「破綻予備軍」の存在は増え続けているということでもあります。相談人数に変わりがないからといって楽観視してはいけないような気がします。