倉敷商工会議所会報 vol.696へ寄稿いたしました
『リバースモーゲージ』について
11月に倉敷商工会議所で「不動産相続勉強会」を開催しました。倉敷に住む同級生やトライアスロンの仲間、そして同業の方など沢山の方に参加して頂けました。参加して頂いた方からのアンケートには「母に遺言書を書いてもらいます!」「三兄弟なのでよく話し合いをしておく必要があると気づきました!」「大変参考になりました。これを機に考えてみたいと思います!」等のご意見・ご感想を頂けました。私自身も「相続トラブル」と聞くとお金持ちの方だけのことと思っていましたが、実際には財産が沢山ある方もいくらかある方も同じように相続時にトラブルになっていることを最近知りました。(昨年の家庭裁判所に持ち込まれた相続関係の相談件数は約18万件もあるみたいで、遺産分割事件の3件に1件は1000万円以下の財産の方みたいです)これからも年に4回ほど「不動産相続」の勉強会を開催して、「相続」が「争続」にならないようにしっかりとサポートをしていきたいと思います♪
12月は『リバースモーゲージ』についてお伝えします。
現在の、60~64歳の貯蓄に関する考えでは、約64%の人が「現在の貯蓄額では不満」という考えで、将来の居住については、「現在の住居にそのまま住み続けたい」と希望している人や「現在の住居を住みやすくリフォームして住みたい」と希望している人が多くいます。しかし、シニア世代になるほど「持家はあるけど、現金のゆとりがない」となっていることも現実としてあります。現金に余裕がないということは非常に不安になると思いますが、この不安を解消するために『リバースモーゲージ』というものが誕生しました。『リバースモーゲージ』とは、リバースは「逆の」、モーゲージとは「担保」という意味の英語です。マイホームを購入する時には住宅ローンを組んで、毎月一定の金額を支払っていますが、この『リバースモーゲージ』はその逆で、すでに保有しているマイホームを担保にして、毎月一定の金額の融資を受けるローンになります。ローンですが、この『リバースモーゲージ』は返済する必要がありません。返済はせずに、借入れした人が死亡した時に相続人が住宅を処分して返済資金にあてるようになっています。新しい制度と思われがちなこの制度ですが、実は18世紀のフランスで誕生した制度で、アメリカやカナダなど欧米のシニア世代の資金調達手段として欧米では普及しています。日本では、1981年に東京の武蔵野市が導入したのが最初で、公的プランと民間金融機関のプラン(商品)の両方があります。例えば、公的プランで『長期生活支援資金制度』を利用することにした場合、保有している住居の不動産評価額が3000万円だと、貸付限度額が評価額の70%になるので、2100万円になります。貸付の利率が年3%として、貸付月額が毎月10万円に設定すると、貸付期間は14年11ヶ月になります。そして、貸付月額が毎月12万円に設定すると貸付期間は12年9ヶ月になります。このようなシステムのことを『リバースモーゲージ』といいます。