不動産売買・活用 / 住宅ローン問題解決の専門家

株式会社オハナ不動産

寄稿・講演・出演情報

オハナ不動産では、これまでに数多く手掛けてきた不動産の売買や活用の事例、相続問題や住宅ローン問題の解決などから得られた知見を、寄稿・講演・出演を通じてみなさまへ提供しています。

倉敷商工会議所会報 - 732 2017(平成29年)/12/15

老後破産


倉敷商工会議所会報を読んで下さっている皆さま、こんにちは!オハナ不動産の山部真一です。先日、「山部さん、商工会議所の会報書いてますよね? いつからやっているんですか?」と、質問されました。会報のバックナンバーを確認してみると、2013年1月からのスタートで、5年経っていることにびっくり!今回で記念すべき60回目でした。月日が経つのは早いものですね。文章力はなかなかアップしませんが、これからも時間の流れに逆らいながら、更に運動能力をアップさせていこうと思います。

12月は『老後破産』についてお伝えします。

団塊の世代(昭和22年~24年生まれ)を中心に、定年退職後から住宅ローンを払えなくなるケースが増えています。現在、住宅ローンを組んでいる世帯の三割の方が60歳以上で、完済年齢が70歳超えという高齢者世帯も珍しくありません。住宅ローンを組んだ当初の生活設計や貯蓄計画、退職金や年金収入の見込み等が予定通り実現せず、多くの高齢者が住宅ローン問題に苦しんでいます。独り暮らしの高齢者は日本に600万人。その半数近い300万人が生活保護水準(生活費月額13万円)を下回る年金受給額で生活しています。実際に年金世代で生活保護を受けている人の数は70万人程度ですので、実に200万人以上の人が生活保護を受けずに暮らしている事になります。中には、ひと月の年金支給額が6万5千円で、1回の食事はたった百円という方も居らっしゃいます。身寄りがなく、身体を壊しても病院に行く事や介護施設に入る事も出来ないのが実情です。本来であれば、年金で賄えない不足分を生活保護費で補うべきですが、預貯金や資産(持ち家等)があることで生活保護の審査が通らないケースや、年金をもらっている手前、生活保護は受けられないと思い込んでいる高齢者も多く、救済支援が行き届かない実態がそこにあります。今や“老後破産”は対岸の火事ではありません。どこの家庭でも起こりうる危険性をはらんだ、大きな社会問題として認識すべきでしょう。長年勤め上げた会社を定年退職したとしても、昨今の不景気のあおりを受け、期待通りの退職金を受け取れるとは限りません。中小企業に至っては、退職金の大幅削減や全く出ない会社も決して少なくないのです。“会社員として地道に働きさえすれば、退職金が出る”といった事はもはや幻想でしかありません。そもそも、退職金という制度は法律で規定されておらず、経営者の一存で業績が悪化した為に出さないとなれば、それまでです。当てにならない退職金では、住宅ローンの返済に充てることも、旅行や大きな買い物をする事も、老後の生活の糧として年金を補う事も、極めて難しい時代と言わざるを得ません。


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